断酒の成功率をアップさせるマインドセット

私は1年と5ヶ月前に断酒をはじめたのですが、お酒を飲みたい気持ちがほぼゼロになってそのまま安定するのに1年かかりました。

今はお酒を飲まない生活が当たり前になっています。

断酒は序盤が一番しんどくて時間がたつにつれて少しずつ楽になっていきます。

一番きつかったのは今回の断酒がはじまる前、お酒をやめようと思っていたけれどやめられなかった時期です。次にきつかったのは今回の断酒がはじまってから2ヶ月ぐらいの間です。

あるていど時間がたってもお酒を飲みたい気分になることはときどきありました。お酒に対する未練みたいなものがありました。

この未練が気にならなくなるほど小さくなるのに時間がかかりました。

断酒にはおもにふたつのステージがあります。

ひとつはしょっちゅうやってくる飲酒欲求を我慢して気分転換するステージ。ふたつめは断酒があるていど楽になった後、油断せずに生活するステージです。

断酒を成功させるには知識と経験が必要でした。精神力も大切だけど精神力だけではダメでした。

これから私が断酒する中で知ったこと、経験したこと、断酒の成功率をアップさせるために必要だと思うこと、自分なりの考え方について書いていきます。

断酒中はお酒を飲みたくなるのが当たり前です。とくに序盤はちょっとした機会があるたびにお酒を飲みたくなります。

そのたびに飲酒欲求を我慢して気分転換する必要があるんですが、どれだけ早く気分転換できるかによって断酒の難易度は変わってきます。

ここで大切なことは脳のアルコールに依存した部分が自分をだまそうとするということを知っておくことです。

断酒序盤の一番きつい時期は「今日は調子がいいからお酒を飲んでもいいんじゃないか。飲みたい」とか「今日は調子が悪いからお酒を飲んでもいいんじゃないか。飲みたい」といった発想が普通にでてきます。

お酒を飲みたくなっている時は冷静ではいられません。

節酒したり休肝日を作ったり、そういったコントロールができなかったから断酒した人が「そうだ、一日に飲む量を減らしたらいいじゃないか。飲みたい」「そうだ、休肝日を作ろう。飲みたい」という気持ちになることもあります。

「お酒は生きていくために必要なものだから体を壊してもやめるわけにはいかない。お酒のない人生なんて生きてないのと同じだ」といった考え方にとらわれる人もいます。

おかしな話ですがこれが普通です。とにかくお酒を飲みたくなるんです。

ここで「少しぐらいならお酒を飲んでもいいんじゃないか」なんて気持ちになって迷ってしまうと断酒が辛くなります。

断酒中はお酒を飲みたい気持ちになるのが普通です。そんな時はお酒を飲みたい気持ちと向き合ったり迷ったりせずにさっと気分転換することが少しでも楽に断酒するコツです。

自分の飲酒に問題があると気づいてから断酒がうまくいくまでの間、お酒は人生を豊かにしてくれる大切なものだから飲めなくなるのは淋しいという感覚がありました。

体が弱ったうえにお酒の飲み方をコントロールできなくなったから仕方なく断酒するけど本当はまだまだ飲みたいと思っていました。

お酒を飲めなくなることに喪失感がありました。生きるために必要な大切な何かをなくしてしまうような気がしたんです。お酒をやめたら人生が味気ないものになってしまう、楽しみがなくなる、そんな不安感がありました。

これは脳のアルコールに依存した部分が見せた幻影でした。偏った考え方でした。

断酒がうまくいったらお酒を飲まない生活が当たり前になりました。お酒を飲まなくても平気になりました。お酒を飲まないことで大切な何かを失ったりすることはなかったです。

そういえば不安感はお酒を飲みたい気分とセットでやってくるものでした。

断酒が苦しかった時期でもずっと喪失感や不安感を持っていたわけじゃなかった。平気な時は平気だったんですよね。

ふとお酒を飲みたくなった時、必ずと言っていいほど昔お気に入りの居酒屋で飲んだ美味しいお酒を思い出したんですが、この居酒屋、断酒前は行ってないんですよ。

断酒前は家で一人で安い焼酎を飲んでました。

家で一人で安い焼酎を飲んでた時期はけっこう長いんだけど、断酒中にふと思い出すのはこっちじゃなくて昔お気に入りの居酒屋で飲んだ美味しいお酒なんです。

こういうのも脳のアルコールに依存した部分が見せる歪められたイメージです。あの居酒屋で飲んだお酒はずいぶんと美化されていました。

断酒しようと思ったからには何らかの大きな理由があるはずです。

体を壊したけれどお酒を飲む量を減らせなかったとか、一時的な禁酒ができなかったとか、お酒の飲みすぎで何度も大きな失敗をしたとか、そんな感じの暗い理由があるはずです。

しかしお酒を飲みたい気分になっている時は自分が断酒する理由を忘れてしまうことがあります。

脳のアルコールに依存した部分が作り出すお酒を飲みたいという気持ちが大きくなると断酒する理由は意識の端っこに押し込められてしまうことがあります。

ここで迷ってしまうと断酒が辛くなります。

迷わないようにするためにはこういうこともあるということを知ったうえで心の準備をしておく必要があります。

お酒を飲んでもいい理由を思いついたら断酒した理由を思い出せばいいんです。もう答えは決まっています。断酒すると決めたはずです。

そしてすぐに気分転換すればいい。

私が断酒に失敗した時のパターンのひとつに、飲酒欲求をじっと我慢して動けなくなってしまって最後に飲んでしまうというものがありました。

じっと我慢して飲酒欲求が去るのを待つのはあまりいいやり方ではありません。

冷たいお茶を飲むとか、お菓子を食べるとか、散歩するとか、寝るとか、ちょっとしたことでもいいので気分を変える努力をするべきです。

断酒中はふとお酒を飲みたくなったりお酒を飲んでもいい理由を思いついたりします。

そういうのは全部ウソです。脳のアルコールに依存した部分が自分をだまそうとして見せる幻影です。

こういうものと向き合ってはいけないんです。無視する必要があります。

脳のアルコールに依存した部分が自分をだまそうとしていることを自覚して、無視して、さっと気分転換するのが一番楽です。

断酒していると「こんな辛い状態がずっと続くのか」という気分になることがあります。

実際は断酒の辛さなんてそれほど長くは続かないし断酒したほうが楽だったりするんですが、そういうことを知っていてもこんな考えにとらわれることはあります。

こういうのも脳のアルコールに依存した部分が見せる幻影です。苦しい気持ちを増幅させてお酒を飲ませようとするんです。

苦しい時は一日断酒という考え方が役に立ちます。あまり先のことは考えずにとにかく今日一日お酒を飲まずに過ごすんです。

そのほうが楽です。時間がたてばお酒を飲みたい気持ちも小さくなります。

断酒が一番辛いのは序盤です。ここさえ乗り越えたら少しずつ楽になります。最後にはお酒を飲まない生活が当たり前になって飲酒欲求もなくなります。

私の場合、断酒が楽になるのに2~3ヶ月ぐらいかかりました。そこから先は油断せずに生活するステージです。

楽になっても油断するとふとお酒を飲みたくなったりします。

お酒を飲みすぎていると自覚してから今回の断酒がはじまるまで、一日に飲むお酒の量を減らそうとしたり、一時的な禁酒をしようとしたり、断酒をしようとしたりして失敗してきました。

その中で、最高で半年間の断酒に成功したことがあります。

最初の2~3ヶ月はがんばって断酒して、後半の3ヶ月はほとんど飲酒欲求がわかなくなって断酒に成功したと思っていました。

でもある日、街をうろついている時に急にものすごくお酒を飲みたくなって、ものすごく悩んだ末に居酒屋に入ってお酒を飲んでしまいました。油断してたからうまく気分転換することができなかった。

きつかったです。でもいい経験ができたと思います。

断酒を成功させるにはこういうこともあるということを知っておく必要がありました。

油断するとダメなんです。油断すると飲みたくなる機会が増えます。そして飲みたくなったら、できるだけ早く気分転換する必要があります。

この時は飲みたい気持ちと向き合ってどうしようか迷ってしまったからダメだったんだと思います。さっと気分転換すればよかった。

今回の断酒では楽になってから急にものすごくお酒を飲みたくなることはなかったです。未練は一年引きずったけど、お酒を飲みたくなってもそれほど苦しんだりはしなかった。

急にものすごくお酒を飲みたくなることもあるということを知って、そうなったら冷静に気分転換しようと決めていたのがよかったんだと思います。

ここまで、断酒中(とくに序盤)はお酒を飲みたくなるのが普通で脳のアルコールに依存した部分が自分をだましてお酒を飲ませようとするという話をしました。

対処法はそういうものだということを知って飲酒欲求を無視すること。飲みたい気持ちと向き合って迷ったりせずに少しでも早く気分転換することです。

うまく気分転換するためには絶対に断酒するぞという固い意志が必要です。

心のどこかで長期間禁酒すればまたお酒を飲めるんじゃないかなんて気持ちを持っていると断酒の成功率は下がります。

10年間禁酒してからまた飲もうと思ってる人が10年間禁酒することはできません。

お酒を飲みたい気持ちを持っていると、脳のアルコールに依存した部分が自分をだましてお酒を飲ませようとする機会が増えることになります。脳は10年も待ってくれません。

いつかまたお酒を飲みたいという気持ちがあると今お酒を飲みたくなる機会が増えることになります。

飲酒欲求を無視して気分転換することも難しくなります。お酒を飲みたい気分になったまま気分転換できなくて我慢してる状態ってかなり辛いですよね。迷いがあるとそういう状態になりやすくなります。

意識を高く持ったほうが楽に断酒できます。断酒するからには絶対に一生飲まないぞという強い意志が必要です。

私はお酒の飲みすぎだから何とかしなければならないと思ってから今回の断酒がはじまるまでのけっこう長い間、節酒や禁酒や断酒にチャレンジしては失敗してきました。

今から考えると長期間禁酒して健康になったらまたお酒を飲みたいという気持ちを捨て切れなかったのが悪かったのかなと思います。

いつか飲みたいという気持ちがあると断酒は辛くなります。今飲みたくなります。

そして、失敗するたびに経験値や危機感がアップしていきました。最後にはもう本当にお酒をやめないとダメだと思ったわけですが、そうなってからの今回の断酒は不思議とそれまでよりも楽でした。

絶対に飲まないぞという強い気持ちがあるとお酒を飲みたくなる機会は減るし飲みたくなっても気分転換しやすかったです。

それまでの失敗経験の中で気分転換コツをつかんでいたので、そういう意味でも今回の断酒はそれまでに失敗した断酒よりも楽に進めることができました。

気分転換のコツですが、お酒を飲みたくなったらとにかく何らかの行動を起こして気をそらすことです。

お菓子を食べたり、ごはんを食べたり、ジュースを飲んだり、シャワーを浴びたり、散歩したり、ゲームしたり、寝たり、などなど、何でもいいです。

お酒を飲みたい気分になったらこういうことをしようと最初から決めておくと動きがスムーズになります。

飲酒欲求は空腹やのどの渇きとセットでやってくることが多かったので食べたり飲んだりして気分転換することが多かったです。

とにかく行動すると決めておいて実際に動くことが重要です。

お酒を飲みたくなった時、ついつい動きが止まってしまうことがあるんですけど、動きが止まると黄信号です。

ぐっとお酒を飲みたい気持ちを我慢してお酒を飲みたい気持ちが消えるのを待つという状態になるとしんどくなります。積極的に気をそらす努力をしたほうが楽です。

お酒を飲みたくなる機会を減らすことも大切です。

私の場合、パソコンでネットゲームをしながらお酒を飲む習慣があったので本気の断酒をはじめてからお酒を飲まない生活が当たり前になるまでの間はネットゲームをやめてました。

テレビを見るのも控えました。テレビを見ているとお酒を飲みたくなるので。

私にとってネットゲームとテレビはお酒とリンクしている趣味だったんです。だからやめました。

お酒とリンクしてる趣味をやめるのはいいことだけど暇になってもお酒を飲みたくなるんですよね。暇もお酒とリンクしています。

だから私は替わりの趣味を作ろうと思ってスマホゲームをはじめました。

それまでスマホをいじりながらお酒を飲む習慣はなかったのでスマホゲームはいい暇つぶしになりました。断酒序盤の苦しい時期はスマホゲームにだいぶ助けられました。

あと飲食店に入るのをやめました。ついうっかりお酒を注文してしまうパターンの再飲酒を予防するためです。

こういうこともできる限りやったほうがいいと思います。

断酒のコツですが、お酒を飲みたくなる機会を減らすためにどうするか、お酒を飲みたくなったらどうするか、こういうことを最初に決めておくことが大切なんだと思います。

お酒を飲みたい気分になってる時は多かれ少なかれ冷静じゃなくなってますからその場でどう対応するか決めようとすると余計な精神力を使います。

その点、最初から結論を決めていると楽です。冷静にすばやく気分転換することができます。

失敗してもあきらめずに再チャレンジすることも大切です。

たいていの人は断酒が成功するまでに何度か再飲酒をすると言われています。お酒をやめなければならないと思ってポンとやめられる人は少数派なんだそうです。

少なくとも断酒してた時期はお酒を飲まなかったんだから失敗した断酒にも意味はあります。

失敗してお酒を飲んでしまってもあきらめずにまた断酒すればいいんです。再チャレンジすれば失敗も経験値です。

お酒の害について詳しく知ることも断酒の助けになります。

私は自分の飲酒がちょっとおかしいから何とかしないといけないと気づいてからお酒の害について調べはじめたんですが、お酒について知れば知るほど「お酒は怖い」「このまま飲み続けたら大変なことになるから早くやめなければいけない」という気持ちになりました。

この怖いという気持ちを持つことは断酒するうえでものすごく大切です。

節酒や禁酒や断酒に何度失敗しても再チャレンジしたのは「怖い」という気持ちがあったからです。

私が一番怖いと思うのは脳萎縮です。

アルコールの害と言うと肝臓が悪くなる話が有名ですが実際は全身のほぼすべての臓器がじわじわとダメージを受けていきます。

脳もダメージを受けます。

大量のお酒を長期間飲み続けるのが一番悪いのですが、少ししか飲まない場合でも飲んだ分だけ脳は萎縮します。

脳萎縮に関しては適量のお酒なら大丈夫ということはありません。

私の脳も萎縮してるんだろうな。けっこう長いこと毎日泥酔するまでお酒を飲む生活を送ってきたからな。

お酒を飲むと脳が萎縮するという話を知った時は本当に怖いと思いました。

私が脳萎縮を怖いと思うのは脳がおかしくなった場合簡単には元に戻らないというイメージがあるからです。

昔は脳細胞は一度壊れたら再生しないって言われてましたよね。最近の研究で脳細胞も再生するということがわかったそうですが、怖いものは怖いです。

お酒の飲みすぎで萎縮した脳は長期間断酒すれば回復すると言われています。

脳萎縮に対して持っている怖いイメージと断酒すれば回復するという希望は私が断酒をがんばるエネルギー源のひとつです。

脳がダメージを受ける=心がダメージを受ける、なんですよね。長期間大量のお酒を飲んでいると心が不安定になっていきます。

私は断酒してから頭がすっきりしたと感じています。お酒を飲んでいた時は今よりも精神的に不安定だったし思考力もちょっと下がってボーっとしてました。

このていどで済んだから良かったのですが、飲酒習慣がうつ病の原因になることもあるそうです。

逆にうつ病の人が辛い状態を紛らわすためにお酒にたよるケースもあるんだとか。うつ病などが絡むと本当に大事です。そこまで行かなくてよかったと思っています。

お酒を飲むと眠りに入りやすくなりますがアルコールには睡眠の質を悪くする作用もあります。

私は毎晩お酒を飲んでから寝てたんですがやっぱり睡眠の質は低かったと思います。

冷静に考えるとお酒ってヤバイですよね。脳萎縮は認知症のリスクを高めるし睡眠不足はうつ病のリスクを高めます。こういうの本当に怖いと思います。

依存性も怖い。お酒を飲み続けていると、ふと気がついたら一日に飲む量を減らしたり休肝日を作ったりすることが難しくなってたりします。

お酒を飲まずに一日を過ごすことがストレスになってしまう。

好きで飲んでいたはずのお酒がいつの間にかやめたくてもやめられない、飲まなくてはいけないものになってしまうんです。

体を壊した時などにポンと断酒できればいいんだけどそうもいかないから怖い。

肝硬変などの致命的な病気になってもお酒をやめられずに命を落とす人もいます。

お酒の飲み方をコントロールできなくなったらそのまま飲み続けるか断酒するかの二択になります。

節酒や一時的な禁酒という選択肢はありません。アルコールに依存してしまった人がお酒の量を減らしたり一時的な禁酒をして飲酒をコントロールすることは断酒よりも難しいからです。

また長期間禁酒してもお酒の飲み方をコントロールできなくなった人がコントロールを取り戻すことはありません。

本当にそのまま飲み続けるか断酒するかの二択なんです。もちろん断酒は一生続けなければなりません。

一生と言ってもそんなに難しいことではありません。断酒が苦しいのは序盤だけだし、お酒を飲まない生活が普通になったら後は油断しなければオッケーです。

断酒の一番のメリットはお酒を飲まなくてもよくなることだと思います。

今、お酒を飲まない生活を送っていますが、健康的で穏やかで良いことばかりです。体調も気分も良い。断酒してよかったです。